ゴルフ狂いのおやじが年甲斐もなくよせばいいのに「90切り3年計画」をぶち上げたのでしたが、その後、1年以上に及ぶ絶不調。「波瀾万丈」どころか「クラブを折る」覚悟さえした苦しい時期でありました。そんなわけで、この項。音信不通となっておりましが、意を決して再開させて頂きます。
まずは、藁をもつかむ思いを繰り返したこの時期の支離滅裂、人生哀歌ともいうべき涙の報告であります。
「90切り宣言」したのが2008年の1月。それ以前の3ケ月と、それから1年3ケ月の四半期毎の平均スコア。恥ずかしながら表1に記載させて頂きます。宣言した2008年1月からスコアは悪化の一途をたどりました。
年 | 2007 | 2008 | 2009 | |||
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月 | 10-12月 | 01-03月 | 04-06月 | 07-09月 | 10-12月 | 01-03月 |
平均スコア | 98.8 | 99.2 | 99.6 | 102.8 | 101.9 | 101.7 |
何の臆面もなく「90切り宣言」してしまう厚顔無恥も、さすが、これではめげてきます。一時は、その後の不調を「歳のせいだもの、仕方ないか」などと自分で自分を慰めながら、亀の頭のごとく、引っ込んでいた次第。
会社のコンペでご一緒することになった、有名なレッスンプロのところに定期的に通っているという初心者のAさん。つい先日、驚く程いいスコアが出た、ということでゴルフ歴2年(平均スコア110程)のBさんに宣言した。「Bさん、今日は絶対に負けないからね。もう110なんて超えないんだから」と。
その結果は推して知るべし。聡明なるゴルファーのみなさまなら先刻承知。そうです、ボロボロなのであります。110どころか優に120を超えも越え。脇で見ていて可愛そうなぐらいでありました。
やればやるほどゲートボール状態。ダフリ・チョロ、空振りまで出る始末。そんなとき、 やさしいおやじはつい声をかけてしまいます。「こんなはずじゃない、こんなはずしゃない、って思っているのではないですか?ちょっと深呼吸してみませんか?」
そうです。気持ちの空回り、が原因のひとつなのであります。
練習場で「開眼した」はずなのに、いざコースに行ってみると何も判っていないことをまざまざと知らしめられる支離滅裂。「開眼した」と思ったことがすでに陥穽に落ち込んでいた、ということが幾度あったことか。ゴルフってものを知れば知る程、その奥の深さ・怖さに恐れ入る次第でございます。
好漢(おとこ)は黙って...、が肝要。「90切るぞ〜〜」って公言したときから、すでに結果は判明していたのでございます。また、言われそう。「しゃべらなきゃいいもんを...」と。
以上は、メンタル面というか精神論。しかして、より技術的な原因を追求してみると...
後で気付いて悔いるのを「後悔」と言いますが、今回も後悔の連続でありました。90切り宣言をぶち上げた半年程前にパターのグリップを交換したのですが、それから徐々に平均パットが悪化しておりました。宣言後、再びパターの重さとバランスを変えたところ平均パットは悪化の一途。その数はなんと3つ、という体たらくとあいなりました。(平均33−34パットがなんと36−37パットまで落ちたのであります。)
好調と不調の境をスコア的に100とすると、パッティング数では35.5ぐらいになります。ということは、「絶不調」状態で100が切れない、と泣いているときのパット数は36パット超。パット数こそが、調子のパロメータ、と言っても過言ではありません。
ここでの教訓。パターは古女房と一緒。決して、思いつきや浮ついた気持ちでいじったり変えたりしてはなりません。触れず近づかずただただあるがままに受け入れること。それがパターの極意。あきらめが肝心なのであります。触らぬカミに祟りなし。決して、若いねぇちゃんに目移りしたりしてはいかんのです。メ移りするときは、それなりの覚悟が必要かと...。
2008年夏のこと。レギュラーティーで6000ヤードに欠けるホームコース。仲間に引きずられて400ヤード程長いバックティーからのプレィを始めました。これで息の根が止められました。てきめんに100を切るのが難しくなったのです。特定のホールは、まるで別のコースかと思う程に難易度が上がります。ドライバーが200〜220ヤード程度しか飛ばない身には、つらい場面も増えました。
ショートホールが全部170〜200ヤード。パーが取れる確率がずっと低くなりました。その上、なによりその距離を打てるクラブがない、のであります。3Iはクラブの肥やし、4Iは上がらずミスの確率が高い。200ヤードは5Wを使うにしてもグリーンに止まってくれるかどうか自信なし。
400ヤード前後の距離のあるミドルでも同じ。セカンドでは6I(150ヤード)以上の距離が残ります。なんとか5I(160ヤード)ぐらいは使えるものの、無理するとバンカーにつかまります。バンカーイップスの身にはつらい展開(^^;;)。
「飛ばそう」という気持ちが先に立ち、ドライバーのOBやミスショットが増えたのもスコア崩壊の大きな原因でした。夏場、急遽、ゼクシオのユーティリティー(20度)を手に入れたものの、そうそううまく打てるはずもなく、ほとんど、コースの神様の前にひれ伏すような状態でございました。
(大きな声で)認めたくはないが、やはり「加齢」。緊張感が続かなくなった、気温の変化についていけない等々。特に、寒かったり暑かったりすると気が萎えます。「もういいや」「まっ、いいか」という妥協が先に来るようではスコアアップは望めません。
そして、忘れてならないのがメタボ。早い話がデブ。腹周りの脂肪の増加=体重増はスイングの切れを悪くします。これは疑いない事実です。そして、それに加えて無理なダイエットはフォームを崩す原因です。体力を失ってラウンド後半まで持たない、ということにあいなります。
(写真右は最近使っているゼクシオのキャディバッグ。但し、ゼクシオのクラブは一本も入ってないのね(^^;;))
いまさら「フォーム」のなんのと言っても、どうせ練習もまともにしないことが分かり切っているわがままおやじ。今回はクラブとクラブセッティング、そしてシューズやティーまで変えました。スコアが最悪のさ中。当たるも八卦当たらぬも八卦。苦しいときのカミ頼みであります。
市内のゴルフ工房で、アイアンとウェッジのライ角及びロフト角を測定し調整してもらいました。 その顛末は[MyGear]で詳報済。これで、打った瞬間、「どおしてぇ!?」という訳の判らないボールの出方が少なくなったような気がします。実際、ロフト角とライ角がスペックと大きく異なっておりました。あくまで「気がする」という程度の話ですが、少なくともこれで、スペックと異なるライ角での異常な状態は解決することになったはず。
変えるに変えれないスコッティテャメロン。いろいろチューニングしてみて、それが全くうまく行かず([MyGear]で詳報済)、結局、ゴルフ工房で購入時のスペック近くに戻してもらいました。散々、素人がいじりまわしたあげくプロに元に戻してもらう。まあ、世の中そんなものかも知れません。
これでパッテングのストロークがすぐに減ったということはありませんでしたが、気持的には安心感が湧いてきました。
ドライバーをディレット+エティモに変えました。知るひとぞ知る。知らないひとは知らない。隠れた名器であります。多分にマニアック。ここに至る経緯は[MyGear]で詳報済。確実に飛距離が伸びOBは減りフェアウェィキープ率は上昇。しかし、現実はそう単純なものではありませんでした。
自覚スライサー。それ故、ドライバーと言えばスライス対策オンリー。ところが、ディレットにした途端、右へはほとんど出ず左への引っかけが出るようになり、自覚スライサーはパニック状態に陥りました。何をどうしていいのか訳が判らないのであります。特に「合わせに行ってしまったとき」、肩が止まってヘッドだけが返り左にひっかけます。当たりが悪いときも一瞬、身体が止まってしまうと、そんな状態になります。「弾く」シャフトだからよけいそうなんでしょうか。
多少時間はかかったものの、まだ克服したとは断言できないにしても、なんとかこのじゃじゃ馬をなだめすかすことができるようになったの3ケ月後(自分の人生そのものと被りますなあ)。ちゃんと当たると飛距離は20ヤードは確実に伸びます。横方向の曲がりも小さくなりました。高弾道で玉がなかなか落ちてこない。これで、セカンドの組み立てが変わります。
もっとも、このディレット。総重量が316グラムもあって、それまで使っていたフェアウェィウッド・ユーティリティーが軽すぎる、という大問題が持ち上がったのであります。とにかく、ドライバー以外のウッドが、ことごとくボールの頭を叩くような状態になりました。こっち立てればあっち立たず。世の中は難しいものです。
そんなこんなで、クラブセッティングを大幅に見直す必要性を痛感。2009年に入り、1月に3Iに変わるものとして23度のユーティリティ(コブラDWS・ロフト23°)を導入。3月には同じシリーズの20°と26°まで入れました。3W・3I・4Iは惜しげなく抜き、軽すぎたゼクシオのユーティリティ(20°)もお蔵入りであります。このユーティリティ、ロフト26°で359g。同じロフトの5I(400g)となかなかバランスもいい感じ。5Iよりもボールは上がり一番手多く飛びます。
ユーティリティって、左にひっかかりやすいってのを初めて知りました。特に、手打ちになってヘッドアップをしようもんなら、てきめんに左にひっかかります。慣れるまで何度かショートホールで大怪我しましたが、今はなんとも心強い味方なのであります。ロングホールの第2打に使ってミスショットしても、そこそこに距離は出てくれます。何より20°(190ヤード)、23°(180ヤード)、26°(170ヤード)で、グリーンを狙える、というのが最大の強みです。
1W+5W+UT(3本)というセッティングとなりました。もしかしたら5Wも抜くかも知れません。データ的に確証はありませんが、個人的には、この170〜190ヤードの距離が狙えるようになったクラブセッティングが一番効果的だった、という印象です。
ウッド・UTで5本。5I〜PW(ロフト45°)6本。パター1本。あとは残すことろ2本なのですが、実は、ウェッジ4本体制とか言ってAW(49°・52°)・SW(47°)を入れており、1本、整理する必要があります。魔法のサンドウェッジを探し求めていることもあり、ここをどうするか、というのが、次の課題となるはず。いずれご報告致します。
2009年秋。それまで3年も使っていたスパイクレスのシューズの内側が破れてきたことから、アディダスのTOUR360を買ってしまいました。2万数千円もする「高級」モデル。それも新しいモデルなのでどこのお店でも定価販売。「買ってぇ」と靴が私にささやく声を振り切ることができませんでした。グッズって「買ってぇ」って囁く、のは新しい発見でございます。
カード買い 買うはよいよい 払うはつらい
履き心地は申し分なし。ほとんど疲れを感じることはありません。そして、何よりも地面のグリップ力が違います。フォローでどうしても左足が外に向く(左の壁が作れない)という悪癖矯正効果は凄いものがありました。このシューズを使い始めた日を境に、(1)ショートホールの平均スコアが徐々に下がり始める(2)ドライバー(1W)のフェアウェイキープ率が徐々に上がり始める、という二重の効果がありました。
使い始めた日を 境に数値の傾向が変わるということは、それなりに大きな効果があったのだと考えてられます。
シューズを買ったときにブラッシティーも購入。「ティーで飛距離が伸びる」という雑誌記事に藁をもすがる思いでありました。これでサイドスピン量が減ればドライバーのOBも減るはず、飛距離は逆に伸びるはず、と皮算用。
もしかしたら、シューズを変えたときの「効果」というのは、このブラッシティーに変えた効果なのかも知れません。
まあ、おやじもゴルフ歴10年。口ほどには「クラブだけでうまくなる」と思っているわけもなく、密かにいろいろと下手な考えを巡らしておりました。
女子プロのパッティングをみて、ちゃんとフォローは出すのにバックスイング幅の小ささにびっくり。スッ、スーっという感じで打ちます。おやじはと言えば、振りが大きすぎてインパクトで調整するものだから、スーー、スーースッ。プロのまねをしようと「まっすぐ引いて」「肩で」「振り子を意識して」という雑誌ネタに拘っていろいろやり始めてから、私のパッティングは悪くなりました。特に、2メートル以下のショートパットは、全く入る気がしなくなったのです。
この冬のある日、突然思い立ちました。「こんなことしているから入らないんだわ。おやじはもっとリラックスして、勘でパッティングしていいんでないの?パットは勘そのものよ」と。考え方さえ変えることができれば人生経験豊なおやじは結構うまく対応できるとみえて、信じられないことに、その日を境に徐々にパット数が減り始めました。
「プロまね」が原因で結局は余分なところに力が入って短いのをはずす。それで自信をなくして...しっかり打てず、またまた余計なことを考えてしまう。そんな繰り返しだったみたい。パターをいろいろいじりまわしたというのも確かにあったのだけれど、結局は「頭デッカチ」。おやじはおやじの陥りやすい大きな罠に自らはまっていたのでございます。
「アドレスでは力を抜く」のが定説です。フォローでもしっかり身体を廻して、右足底は飛球線の反対側をみるように返して...華麗なる女子プロの如くスイングしている自分にうっとりします。いいねぇ、歳を感じさせない美しいスイング(のはず)。
過日、レッスン書をひもといておりますと「テークバックでは右の太股内側に張りを感じて」という記述が目に入りました。右にスエーしてはいけない、右腰を後ろに引けてはいけない、右膝の位置を動かしてはいけない、ということだとばかり思っていたのでしたが、ふと気付いたのであります。それって、下半身をどっしりさせろ、ってこと?ということはアドレスでは下半身の筋肉をある意味、こわばらせておかなければならない、のではないかと。
で、まずやったことは、足の指でしっかり靴の底をホールドしてアドレスします。足の指の間接を曲げしっかり力を入るのです。これでスイングしますと、結果的に身体の硬いおやじは「ベタ足」スイングになります。イメージ的に多少ガニ股ながら、安定したアドレス。足指は大地をひっかく。
これで驚く程、スイング軌道が安定しました。若干飛距離を落としたものの、左右の曲がりは小さくなり、OBやワンペナが少しづつ減り始めました。ドライバーの安定は、スコアメイクの「イロハのイ」です。とにかくフェアウェイの狭いホームコースでドライバーが安定してくれれば、他に武者修行(というか浮気)に行っても怖いものはありません。
クラブヘッドが砂に深く入りすぎて距離が出ない、というバンカーショットが直せないおやじ。スコア的にも一回のバンカーで2打程度多くなっていますから、スコアメイクにはとにかくガードバンカーを避けること。「今年は砂を噛まない」と密かに願掛けしたのが今年のお正月。バンカーにつかまった数が減ると確実にスコアは下がります。
苦手なものを克服しよう、などとは考えぬこと。ゴルフは如何にミスをしないで回るか、というのが極意なはず。嫌いなものからは徹底的に逃げ回れ、なのであります。
そして迎えた2009年4月。早い開花の桜も、その後の寒さのぶり返しで足踏みする中、絶好のゴルフ日和のホームコース。前半46と、これまでではかなりいいスコアで上がった昼食時。同伴しているひげのおやじが「今日はスコアがいいから呑まないよ」とビールを頼みません。そうなんです、彼は42というメチャクチャすごいスコアだったのです。「じゃあ、オレも今日は呑まなくていいかな」。
やはり、お昼はビールを飮んではいけません。おやじアスリートたるもの、煙草や昼のビールはやってはいけないのです。結果は後半42。すごいです。トータル88、パット33。ベストスコア更新です。特に「調子がいい」とか「ついている」ということもなく、とにかくボギーベースで淡々と回りました。大叩きの場面は何度もあったものの、なんとか好調なパットで悪の連鎖を断ち切ることができました。
と、通常ではベストスコアの次のプレィでは、元のスコアに戻ってしまうはずなのですが、今年はなんと、4月の平均スコアが91.5。1〜3月の平均スコアから10も下がったのであります。
5月。ゴルフには最適な時期。黄金週間がありプレィの数も多くなります。そこでのプレィ。初めてのコースだったりホームではバックティーからだったり、はたまた雨だったりして、スコアアップには若干ハードルが高いプレィが続きます。結果。さすがに4月には及びませんが、それでも90代中盤です。まるで別人のゴルフであります。
90を切ってラウンドして、改めて、100を叩いているときとは明らかに気持ちの持ち方が違うことに気付きます。ひたすらボギーベースで回って、ときどきパーを拾う。決して無理をしない。ミスには気持ちよく1打罰を払い、悪くてもダボに止める。これが「アラナー」(アラウンド90)のゴルフです。
「100を叩いたら気持ちが悪い。」はっきりとそう自覚できることが、スコアアップの要諦です。100叩きと90切りでは技術的な部分はほとんど違わないと思います。気持ちの持ちよう、それが90切りの極意なのかも知れません。
「平均スコアアップ=モチベーションの高揚=テンションのアップ」というわけで、頭の中はゴルフ三昧。次々と「次なる課題」が待ってるというか、自分で探しているというか...。
この間、ながいところ(ウッド・ユーティリティ系)の整備(【myGear2009.06】「立ちはだかる距離の壁を超えるセッティング」を参照)を進めてくれば、モチベーションが頂点まで高まったおやじの考えることはひとつ。アイアンのリニューアルでしょう。
案の定、5月末、新しいアイアンをゲットしちまいました。プロギアのGN502銀 FORGEDであります。少し太めになりましたが、なかなかすっきりした容姿。ひとめぼれでありました。 話はここから急展開、と相成ります。そのへんの話は次回のお楽しみで。(【myGear2009.06-2】「プロギア GN502 銀 フォージド アイアン」に掲載)