もう3年越しでゴルフクラブのいじりまわし。ああでもない、こうでもない。そのあげくに「ほとんど効果なし」ではさすがに「立つ瀬がない」。ちょうどそんな頃、友人から近所の「リシャフト屋さん」を紹介されたのをきっかけに、「持ちは餅屋に任せるのがいちば〜〜ん」と宗旨を変えた私。クラブのことはその道のプロにお任せ。それが上達への最短距離なのでありました。
そんなわけで、アイアンとウェッジのロフト角とライ角をすべて実測してもらい、適正な値に調整して頂きました。今回はそんな顛末でございます。
まずは簡単な蘊蓄など。
アイアンのロフト角と言えば、ヘッドのフェース面が鉛直方向からどれだけ傾斜しているかを現す角度ですが、基本的にアイアンの飛距離に関係します。アイアンの番手毎に約10ヤードづつ飛距離が違う−−−というか、「番手どおりの距離がでるように腕を磨こう」という話の元となるべきものです。カタログスペックと実際が違うと、妙に番手毎に飛距離の差が異なるなんてことになるかも。まあ、こそまでのシビアさは、私のようなアベレージには関係ないかも知れませんがね。
ライ角は、ヘッドを水平においたとき、水平方向に対するシャフトの角度です。アイアンの番手が小さくなるとシャフトの長さが短くなりますので、通常は、すこしづつライ角は寝て(角度は小さくなって)きます。人間の身長や手の長さ、フォーム等の関係もあって、個人的にも最適なライ角は変わります。
適正なライ角より、アップライト(ライ角が大きい)だと、フェース面は左を向きます。結果的にボールは左に出やすくなります。ラフで左にひっかけるのは、ヘッドのヒール側が芝にひっかかってトウ側が回ってしまうことによるもので、ライ角の不適合と同じ結果となります。
ライ角は、ロフト角よりは、まだアベレージゴルファーにも関係ありそう、かも。と、よく判らん蘊蓄はこのぐらいにしておいて、今回の主題に入りましょう。
3年前からプロギアのTR900フォージド(シャフトが純正HS40用の特注品)を使用しています。それまでのカーボンシャフトからこのアイアンへ変えたときには「さまざまな叱咤激励」がありました。その多くは「いい歳をして」というやっかみ半分・ひやかし半分でしたが、今でも「もう、カーボンシャフトに戻したらあ」とのたまう輩もおります。余計なお世話だい。
ウェッジは、その後、買い増して、TRウェッジAW(48°/42°)、SW(56°)。アイアンセットのPWを加えてウェッジ4本体制です。
さて、雑誌などでは「アイアンはライ角が重要」などとよく書いてあるのです気にはなっていたのですが、今回、リシャフト屋さんに出入りするようになったのを機会に、ロフト角・ライ角を調べてもらいました。
クラブ | ロフト角(°) | ライ角(°) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
クラブ | 長さ (inch) |
重量 (g) |
spec | 変更前 | 差 | 変更後 | spec | 変更前 | 差 | 変更後 |
4I | 38.25 | 392 | 23 | 23.5 | 0.5 | 23.0 | 59.0 | 60.0 | ||
5I | 37.75 | 400 | 26 | 26.5 | 0.5 | 26.0 | 60.0 | 60.5 | ||
6I | 37.25 | 406 | 29 | 29.0 | 0 | 29.0 | 61.5 | 61.0 | ||
7I | 36.75 | 413 | 33 | 32.5 | -0.5 | 33.0 | 61.5 | 61.5 | ||
8I | 36.25 | 419 | 37 | 37.0 | 0 | 37.0 | 61.5 | 62.0 | ||
9I | 35.75 | 430 | 41 | 41.0 | 0 | 41.0 | 61.5 | 62.5 | ||
PW | 35.25 | 436 | 46 | 45.5 | -0.5 | 45.0 | 62.5 | 63.0 |
ロフト角はカタログスペックと比べると±0.5°以内。ちょっと気持ちが悪いが、店長さん曰く。「使っているうちに多少変わることもありますしね。プロギアのシャフトの品質管理はいい方ですよ。とてもすごいケースもありますよ。全然、カタログスペックと違うものが平気で売られている、なんてこともあるみたいだし。」との怖い話。
ところがライ角の実測値をみたとたん「これはすごい」って。ライ角ってのは番手によって0.5°づつ違うと思っていたのでしたが「事実は小説より奇なり」。なんと6I〜9Iまで全部同じ61.5°。これはプロギアのカタログスペックなんだろうか(^^;;)。
「ロングアイアンが妙に右にスライスするんですよ」という話をしたら、「少しアップライトにしておきます。その方がつかまりがよくなりますから。」って。逆にショートアイアンのライ角は大きくなったので、つかまり過ぎが防止されるということなのでしょう。
なる程、アイアンのミスショットというのは案外、こんなことが原因のひとつなのかも知れない。それを自分のフォームのせいにしたり「へた」のせいにしたり。私のゴルフは「自虐の歴史」だったのかも(^^;;)。
クラブ | ロフト角(°) | ライ角(°) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
クラブ | 長さ (inch) |
重量 (g) |
spec | 変更前 | 差 | 変更後 | spec | 変更前 | 差 | 変更後 |
AW 1 | 35.25 | 440 | 48 | 47.0 | -1.0 | 49.0 | 63.0 | 62.5 | -1.0 | 63.0 |
AW 2 | 35 | 444 | 52 | 52.0 | 0 | 52.0 | 63.5 | 62.5 | -1.0 | 63.0 |
SW | 35 | 477 | 57 | 56.5 | -0.5 | 56.5 | 64.0 | 63.5 | -0.5 | 63.0 |
ウェッジの方は、アイアンセットよりぶれが少し大きかったようですが、これも調整してもらいました。PWとAW1の間のロフト角の差が2°しかなかったのを4°までひろげました。9IとPWの差が3°しかなくなりましたが、最近、PWの距離が出なくなってPWとの飛距離差が10ヤード以上になってしまっていたので、PWのロフトを立てたのは正解だと思います。これでウェッジ4本体制の確定です。
ゴルフクラブの品質管理というのがどの程度なのか判りませんが、大分、「甘い」ようですね。ロフト角などは必ずカタログに掲載していますが、都合の悪いスペックはカタログにうたわないことも多いようですし。それにしても、ロスト角が1°も違う、というのは...。そんなもんなんですかね。
私のアイアンはロフト角やライ角が調整できるタイプだから対処できましたが、調整できないアイアンならどうするんですかね。10万円以上するアイアンセットのロフト角やライ角が、実はカタログと大分違っていた、なんてのは、なるべくなしにしたい話です。
工賃は1本あたり千円ちょっと。たとえ「安心料」にすぎなかったとしても、一度は実測しておくことをお勧めします。これで、ミスショットをしてもロフト角やライ角のせいにできなくなりました。ということは、単なる「ヘタ」なんだわ。やっぱり。まだ、調整後、数回しかラウンドしていませんので、調整の結果がどうだ、と言える状況ではありませんが、なんとなく、キレのいいアンアンショットになったような気がしています。たとえ「気」でもうれしいものです。
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