一昨年秋から昨年夏まで9ケ月程かけた一世一代のクラブセッティングの変更。悪く言えば単なるギアのいじりまわし。結果が鮮明にでたものも、よく判らなかったものもいろいろありました。その中から、顛末のいくつかを激白させて頂きます。
ドライバーとかアイアンは替えられても、パターはなかなか替えられないのは私だけでしょうか。 2007年夏。前年から試行錯誤しながらいじりまわしたクラブセッティング。その中で最も古くなったのがマイパター、 スコッティキャメロン ラグーナ2でした。擦れてきたグリップを交換してリニューアルしたのでした。
まるで着古したコートをピカピカにしたようでしたが、それはそれで畏れにも似た思いを抱きました。ちょっとだけ高価な、というか「1点豪華主義」に徹してわが身には贅沢なトレンチコートをすり切れるまで着潰す。そんな価値観の中で育ってきたおやじです。
まあ、1本ン百万円のものもあるスコッティキャメロンですから、それだけで気分的にはリッチなのではありますが。で、パターピカピカが、現実のスコアにどのような影響を与えたのか、というのが今回のテーマでございます。
グリップを交換したあと、鉛を貼ってバランスを調整しています。実測値の変化は下表の通り。総重量が13g増。バランスはD−3と前と同じに調整しました。グリップはオリジナルに比べると大分太くなりました。
項目 | グリップ交換前 | 交換後 | 備考 |
---|---|---|---|
クラブの名称 | パター | ||
メーカー・ブランド | タイトリスト/スコッティキャメロン | ||
商品名(型式名) | ラグーナ 2(LAGUNA TWO) | 2001年頃購入 | |
形状 | ピン型 | ||
長さ | 35インチ | 実測 | |
総重量 | 513g | 526g | 実測 |
グリップ重量 | 72g | 80g | 実測 |
バランス | D-3 | D-3 | 実測 |
グリップ交換直後は距離感に若干違和感を覚えたものの、慣れてくれば全く問題なく、打感もそれなりに柔らかく打てます。 しかし、そんな「感じ」とは全く違ってごまかしのきかないのが「スコアというデータ」でした。
グリップを交換した前後のパット数の変化が下表です。交換する前のプレィから過去10プレィ、交換した日を含む交換後の10プレィの、それぞれ移動平均値です。
項目(移動平均) | 交換前10プレィ | 交換後10プレィ | 差 | 備考 |
---|---|---|---|---|
期間 | 5月中旬〜07/16 | 07/28〜11月中旬 | ||
総パット数 | 34.1 | 35.5 | +1.4 | |
1バット以下 | 4.7 | 3.3 | -1.4 | |
2パット | 10.5 | 11.9 | +1.4 | |
3パット以上 | 2.8 | 2.8 | 0 |
グリップ交換前後の10プレィ移動平均値を比較すると、交換後、1バットが1.4パットも減っていて、その分、総パット数が増えています。1パットが1プレィ平均で1.4回減というのは、結構大きな数値です。この変化は、グリップを変更した日のプレィから増加し始め、約10プレィ目ぐらいまで増加が続きました。それからはぼぼ横ばいで現在に至っています。
確かに自分でも「最近、ショートパットがはずれる」のが多くなった、と感じてはいました。1プレィに2〜3度は1〜1.5メートル程度の距離のパットをはずしているのです。大抵、ボールがカップを覗いて行く、ボール半分ぐらいのわずかなぶれです。当初は、「ラインの読み違い」「はっきり目標を定めず漫然と打っているのが原因だよ」と思っていたのですが、スコアをみる限り、そんな楽観的な話ではないように思えます。
「ゴルフはクラブだ」に傾倒しているおやじにとって、遺憾ながら、今回のグリップ交換は「逆効果であった」という結論を出さざるを得ないようです。残念ながら、現状では「それが現実」でしょう。
しかし「パター変更の影響というのはそれほど単純な話でもないぜ」と、なお抵抗する私。ひとつは、バター交換の時期を境に運動不足・体重増等が顕在化し、ゴルフの調子が夏以降、いまひとつであったこと。それがパター数に影響したことが考えられます。そして、もうひとつがホームコースのコースセッティングの変更。
ホームコースでは、今年からラフをこれまで以上に長くセッティングしています。前年までに比べると全く違います。それも7月に入って芝が元気になった途端、ラフに入れたら「ばついち」を支払う、無理すれば「ばつに」も「ばつさん」も、というのが当たり前になりました。グリーン周りからのショートアプローチが、簡単にピンによらなくなりました。冬になって枯れたラフでも苦労しているんだし。これもパット数に大きく影響している可能性があります。
表向きは「効果なし」ではありますが、悔しいので、もう少し、スコアの推移を注視して行きたいと思います。ちなみに、昨年末になって、鉛の重さを若干替えてバランス調整をしました。まあ、その効果も定かではありませんが。
※この話の元は【my Gear】スコッティキャメロン ピン型パター LAGUNA TWO(2007.09)です。
バッグの肥やし3Iに替えて別のクラブを入れる話。PW(46°)とAW(52°)の飛距離の差が20ヤードもあり、その中間の100ヤードをぴったり打てるクラブとしてAW(48°)を1本追加しました。 PWとAW(48°)のロフト差が2°しかないのですが、一応、飛距離差が10ヤードなので良しとしています。
クラブ | 製品名 | 長さ (inch) |
重量 (g) |
ロフト (°) |
飛距離 (yard) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1W | PRGR T3 Blue | 45 | 308 | 10.5 | 210-230 | チューニング済(重量は実測) |
3W | PRGR M3 HIT #3 | 42.5 | 325 | 15 | 200-210 | チューニング済(重量は実測) |
5W | PRGR M3 HIT #5 | 41.5 | 337 | 18 | 190-200 | チューニング済(重量は実測) |
3I | PRGR TR900フォージド | 38.75 | 387 | 21 | 180 | このクラブを抜く |
4I | 38.25 | 392 | 23 | 170 | ||
5I | 37.75 | 400 | 26 | 160 | ||
6I | 37.25 | 406 | 29 | 150 | ||
7I | 36.75 | 413 | 33 | 140 | ||
8I | 36.25 | 419 | 37 | 130 | ||
9I | 35.75 | 430 | 41 | 120 | ||
PW | 35.25 | 436 | 46 | 110 | ||
AW 1 | PRGR TR wedje 02 | 35.25 | 440 | 48 | 100 | |
AW 2 | PRGR TR wedje 02 | 35 | 444 | 52 | 90 | |
SW | PRGR TR wedje 02 | 35 | 477 | 57 | 80 |
しかし、100ヤードぴったり打つ、というシチュエーションが年がら年中あるわけでもなく、しかもよく考えてみれば「100ヤードぴったり」にこだわる必要もありません。90ヤードでも110ヤードでもいいわけですから。そんなわけで、元からあるAW(52°)は距離を出すときのバンカーショット用、新しいAW(48°)はグリーンカラーからピンまで比較的距離があるときのショートアプローチ用。いずれもSWの補助的な役割を与えられているにすぎません。PWやSWに比べて当然出番は少なく、1プレィの中ではその日によってどちらかに偏る傾向があります。つまり、1プレィの中ではウェッジが1本余る感じです。「使いこなせない腕前」と言われればそれまでですが。
このへんのデータは詳細にとっていないので、データを基に詳細に云々することはできませんが、感覚的にはウェッジ4本体制というのは必ずしも必要不可欠なものではない感じ。PWとAW1のロフト差が2°しかなく、実際にはこのふたつの飛距離はもっと狭いのが原因かも知れません。
まあ、それはそれとして「セッティング次第では3本でいいかな。あればあったでもいいが、むしろ他に必要なクラブがあればそちらを優先すべきかな」というのが当面の結論ではあります。
※この話の元は【my Gear】3番アイアンを抜いて何を入れる!?悩み深し(2007.08)です。
恥ずかしながら「記録するもの」として、このような重大な変化に全く気付きませんでした。半年以上もすぎてスコアの内容をチェックしていて始めて気付いたこと。それは「6月3日を境に数値が大きく変化している」ことでした。トータルスコアに大きな変動はないものの、内容的には、それまで上昇1していたのが下降に転じたとか、下降していたのが上昇に転じたとか、いわゆる「各項目のグラフの頂点」が一度に集中した日なのです。変化した主な項目は下記の通り。
項目(移動平均) | 6/3以前の10プレィ | 6/3以降の10プレィ | 差 | 備考 |
---|---|---|---|---|
期間 | 3月下旬〜05/27 | 06/03〜8月下旬 | ||
トータルスコア | 98.1 | 99.2 | +1.1 | |
パー以下 | 4.1 | 3.9 | -0.2 | |
ボギー | 5.2 | 6.1 | +0.9 | ↑ |
ダボ | 5.6 | 4.5 | -1.1 | ↓ |
トリ以上 | 3.1 | 3.5 | +0.4 | |
フェアウェイキープ | 7.6 | 7.0 | -0.6 | ↓ |
OB/1ペナ | 3.5 | 3.0 | -0.5 | ↓ |
バンカー | 3.5 | 2.6 | -0.9 | ↓ |
備考覧に↑↓をつけた項目が、6月3日を境に増減が逆転しているのです。それもほとんどが8月下旬の10プレィ目までに一貫して増加または減少しています。
特に鮮明に変化の傾向が顕著なのが、
この日を境に顕著にボギーが増えてその分ダボが減った。それほど鮮明ではないが、パーが減りトリ以上が増え、結局トータルスコアは若干悪化している。OB・1ペナは減ってきたが、こわごわ打っているのかフェアウェイキープ率は下がる一方。そして、極力バンカーには入れないように努力はしている。そんなところでしょうか。
ドライバーをプロギアのT3Blueに替えたのが4月中旬。これで、スコアが大きく変わることはありませんでした。6月3日のひとつ前のプレィ日は、実はT3Blueのグリップ交換後の第1戦でした。そして、6月3日こそ、そのグリップ交換時のセッティングを調整し直した後の第1戦だったのです。
同じメーカーで同じようなスペックのクラブを交換する以上に、大きくスペックを替えた日です。ちなみに、T3の標準の重さ296g(バランスD−0)に対してグリップ交換時に総重量317g(D−0.5)に。しかし5月27日にコースで使ってみて「重すぎる」と感じて、6月3日のプレィには307g(D−1.5)に調整し直して臨んだ。
もっとも、この調整後10プレィを過ぎた秋以降、またスコアの傾向は変わってきました。ドライバーT3Blueのチューニングは、トータルスコアがよくなったわけではなかったが、短期的にはいろいろな影響が現れたました。長期的には、また別な要因の方が大きくなって、スコアの内容が変わってきた。まあ、そんなわけで、短期的にしろトータルスコアがよくならなかった以上、T3Blueのチューニングの効果については?という、これまた残念な結果になりました。
素人が素人考えでいろいろやってみて、結局は「効果なし」。これが今回のひとつの結論です。クラブの交換、チューニングの効果、なんてものは、本人が期待する程劇的なものではありませんが、思っている以上に内容が変わってくるのも事実です。長い目でもいろいろな影響がでてくるのでしょう。そういう意味でも、今後、私にとってのクラブセッティングの重要性は増すことはあっても減ることはないような気がします。それにしても、ひとつの結論に達するのにこんなに時間と手間がかかるっていうのは別ではありますが、大きな問題です。
※この話の元は【my Gear】プロギアT3 Blueドライバーのチューニング(2007.05)です。