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【my Gear】最近のデカヘッドドライバーを使ってみた

プロギアT3 Blueドライバーのチューニング

2007.05

 まだ今年のカタログに掲載されているプロギアのドライバー、450ccデカヘッドのT3 Blue(model305)を手に入れました。大枚はたいてようやく手に入れたドライバーですが、さて、使いこなせるやら否や。苦心惨憺の顛末記でございます。
    (注)掲載しているT3 Blue の写真はすべてグリップ交換後のものです。

【my Gear】スライスとの闘いは続いている

ドライバーの安定こそスコアアップの鍵

結局、またまたプロギアのドライバー

T3 Blue

 「世の中、沢山のいい商品があるのだから、なにもプロギアでなくてもいいとは思ったのですが...」とやはり弁解から始まるのでした。

 世紀末を迎えた頃始めたゴルフ。最初に買ったドライバーがプロギアだった、という理由だけで、それからもずっとプロギアばっかり。何故?と聞かれても「それしか知らないから」としか答えようがなく、「私の人生と同じ」と言えばその通り。「太っ腹な女房よりもっとスリムな若いねえちゃんがいいなあ」とか、「おやじを恐喝して少ない小遣いを巻き上げるような出来の悪いガキは交換したい」と心の中で思っていても「ナンもできないおやじの人生」そのものでございます。

こすり玉と右へのすっぽ抜け、スライサーな私

 昨年秋、それまで長く使っていた中空型カーボンシャフトアイアンからよりハードなスチールシャフトアイアンに変え、クラブセッティングをし直しました(詳細はmyGear0702参照)。

 それが奏功してか、今年に入り、ようやく平均スコアが90台に突入して、次の課題はドライバー。やはりドライバーの安定がスコアアップには欠かせません。使用しているドライバー PRGR TR-X 370 Duoですが、左に出て右に落ちる力のないこすり玉が多く出るのと、なによりも時々右にすっぽ抜けたり大きい曲がり玉が出てしまうと、手がつけられなくなります。グリップのフック度を強めて右足を後ろに引くクローズドスタンスにして切り抜けようとしますが、ひどいときはそれでも止まりません。

新宿の夜は誘惑がいっぱいなのです

 そんな中「できればドライバーは中古でなくて最新のやつがいい」とか、「最近のデカヘッドドライバーはスイートスポットも広くてミスヒットに寛容」とかの雑誌智恵。ある意味、悪魔のささやきのようであります。

T3 Blue T3 Blue

 「スコアアップのためにはデカヘッドドライバーは必要不可欠なのであります」と自己脅迫じみた思い込み。後先かえりみず、まるで清水の舞台から飛び下りるここちよい(?)気分で、プロギア ヘッド体積450cc T3 Blue 即購入(但し、いつものクレジット)という結果になった次第でございます。やっぱり少し醉っていた新宿の夜、デカヘッドの誘惑に負けた私です。

智恵を拝借している参考図書

 ゴルフクラブに関する技術的なノウハウ等は、次の書籍にお知恵を拝借致しました。「ゴルフはクラブだ!! 」に開眼させて頂きました。

  • 書籍1:松尾好員「ゴルフはクラブでうまくなる」(ゴルフダイジェスト社/2005年9月刊)
  • 書籍2:山口信吾「振るだけで10打縮まるぴったりクラブの選び方」(日本経済新聞社/2006年5月刊)
  • 書籍3:大槻義彦「ゴルフ上達の科学」(講談社/2004年6月刊)

【my Gear】プロギアT3 Blueドライバー

T3 Blueのスペック

ちょっとへんなゴルフクラブの常識

 詳細なスペックを調べようとしていつも思うのが「詳細なスペックは簡単には調べられない」ということです。よく考えてみるとへんな話で、20万円もするアイアンセットを購入しても、

  • 取扱説明書がついていない
  • 詳細なスペックが公表されていない、カタログでもネットでもとにかく詳細スペックは判らない

 個人にとって決して安い買い物ではないはず。家電製品など「これでもか」というぐらい製品説明書がついてきますよね。 ところが、ゴルフクラブだけは、クラブを買っても自分に「あう、あわない」は自己責任。「あわない場合は中古ショップに二束三文で叩き売りましょう」なんて感じはヘンではないですか。

スペック(仕様)

 とりあえずカタログや書籍等で公表されているPRGR T3 Blue(model305)のスペックは次表のとおりです。

区分 項目 主たるスペック 備考
全体 商品名 PRGR T3 Blue
(model305)
2006.02発売
長さ 45インチ  
総重量 296g アイアン#5と104gも違う!!!
バランス D-0  
ヘッド 素材 3種チタン結合ボディ 15-3-3-3チタン/KS120チタン/SP700チタン
ロフト角 10.5°  
体積 450cc  
ライ角 59°  
フェース角  
重心距離 40o アイアンの重心距離35oより5mmも長い!
重心深度 39o  
スイートスポット(SS)高 37o  
ヘッドの慣性モーメント 4220gcm2  
シャフト 名称 INSPEC BLUEシャフト  
固さ M-40 ヘッドスピード40m/sec対応
重量 56g  
トルク 4.9  
kp M  
グリップ 名称 PRGR専用グリップ  
重量 44g グリップ交換時の実測値(テープ含む)
その他 SLE適合    

 振動数・ネック軸周りの慣性モーメントとか、まだまだ重要なスペックは判然としません。あとはメーカーに直接電話して聞くしかないのかも。

クラブセッティング上の問題点

 カタログスペックから推察されるこのドライバーのクラブセッティング上の問題点は、次の通りです。それを判って買うか?とも思うのですが、なにしろプロギアしか知らない私です。

(1)軽い
 現在、使用中のアイアンTR900フォージド(#5 400g)との重量差は104g。参考文献1では「ドライバーと5番アイアンの重量差は80〜90gが適正」とされていて、自分のクラブセッティングではちょっと軽すぎます。昨年まで2年も使用していたPRGR TR-X 405 Duoで、参考文献1の松尾好員氏のいう「アンダースペック症候群」に陥っていた私には最も大きな問題点です。

(2)ドライバーの方がアイアンより重心距離が長い
 同じく参考文献1には「重心距離が長いドライバーと重心距離が短いアイアンを組み合わせてしまうと...(中略)...アイアンの調子がいい時は、ドライバーのつかまりが悪くなって右へのミスが出やすくなると言えます」とあります。TR900フォージドアイアンの重心距離が35mmに対してT3 Blueは40mm。スライサーの私には気になる数値です。

 「デカヘッド」ドライバーはヘッドが戻りにくいので、スライスが出やすい、といは聞いていたのですが、やはりスペック的にも不安は去りません。

実際に打ってみた

悪くはないが、やっぱり軽すぎる

 打ちっぱなしに行って実際に振ってみると、そう悪くはないのです。気持ちよく振れますし飛距離もそこそこ出るのですが、やはりなんとなく手元が心もとない。かなり軽く感じます。軽すぎて腕を大きくスライドさせてスイングしてしまうイメージの振りになってしまいます。

 そこで、いつもの安易な対処方法。グリップエンドから14インチ(35.5p)の位置に鉛を貼り、総重量を315g程にすることにしました。この位置に鉛を貼るとバランスを変えることなく全体の重量を重くできる、という雑誌智恵。但し、315gという重さには根拠はありません。5Iとの重量差を80-90gの範囲に収めた、というだけの理由です。

右に左に、そしてヒールで打つように(T T)

 実際にコースに出て使用してみました。ナイスショットは左に出て右に軽くフェードする、というこれまでのドライバーショット。少し当たりが悪いと、まっすぐ出て右に落ちる「こすり玉」。その上、「ちょっと気を抜いた」途端、右にすっぽ抜けてOBを喰らいます。やはりヘッドが戻らない。練習場ではそれほどでもなかったのですが、コースに出ると、やはり悪いところが突出する感じです。

 右を怖がって「合わせに行く」と、左に力のないテンプラボール。こうなると、ドライバーを捨てる以外に道はなくなります。もっとも3Wでもそこそこに飛距離が出るので、ドライバーの必要性、という根本的な問題が発生したりしますけど。

 その上、最初の3プレィ程、何故か、ヒールでばかりヒットしているのに気がつきました。スィートスポットをはずしてもそこそこに飛ぶ、のですが、打点がヒールにまとまる、というのはこれまで例のないことなのです。 最近、ボールの位置が近くなっている、という感じがありました。右に行くのを嫌がってアップライトに構えるようになったせいか、アドレス時、グリップエンドとおなかの距離がグリップ一個しかないんです。

 よく注意してみてみると、確かにアドレス時、かかと体重で構えていました。体重を爪先側に移すだけで、クラブの位置がヘッド半分ぐらい遠くなります。と、いうことで、アドレスを変えてみると、少しづつ打点が中心にまとまってきました。

結局、スライスは止まらない

 しかし、です。ヘッドのど真ん中で打っても、右に出るときは右に出ます。元々スライサーで、ナイスショットでも若干のフェード打ちの私には致命的なことであり悩みは深まります。

  • ヘッドが450ccと大きくなったことで、ヘッドが返りにくくなって右に出る
  • 少し重くしすぎたので振り遅れて右に出るのかも
  • そもそも身体の左側が開くのが早すぎて手が先行し、インパクト時ヘッドが開く
  • トップで左手首が甲側に折れてヘッドがオープンになりすぎ、インパクト時にヘッドが戻りきれない

等々、スライスの素と思われる原因が次々に浮かんできます。

 確かにヘッドスピードを計ってみると36-37m/sぐらいしかでないのです。通常、38-39m/sぐらいのはずなので、ちょっと重くしすぎたのかも知れません。飛距離が落ちることも考えられます。

 悩みは深まります。しかし、ここで気を取り直して次のステップに移ることにしました。

【my Gear】貧乏ゴルファーのクラブチューニング編

まずはグッリプを変えてみた

総重量を296g→309gに

T3 Blue

 いくらバランスが変わらないとはいえ、グリップエンドから14インチの位置に10g以上も鉛を貼っていると、確かに格好が悪い。そこで、まず、グリップを交換することにしました。まあ、素人がやれるイロハのイ、グリップチューニングです。

 作業の各段階で重さを測ると、パーツの重量が個々に推定できます。

  • 何も手を加えていない状態の標準スペックで総重量296g
  • グリップをはずしてヘッド+シャフト=253gなので、グリップ部分は43g
  • スペック上、シャフト重量は56gなので、推定されるヘッド重量は197g

 新しいグリップはGolf PrideのDD2。コアサイズ60で重量50g(実測は51g)。重くするのが目的なのでテープをらせん状に巻き付けてシャフト装着。

 この段階で総重量307g、バランスC-9のクラブに変身しました。

  • ヘッド197g、シャフト56g、グリップ部(テープを含む)54g

 グリップ交換だけで11gも重くなりました。軽く振ってみると、何か手元がしっかりと安定してきたような気がします。

T3 Blue


鉛を貼ってバランス調整

 スライス防止のため、ヘッドのヒール側に2g弱の鉛を貼付。これでいくらか重心距離が短くなり、ヘッドが返りやすくなることを期待します。アイアンとの重心距離の差(5mm)も少しは縮まるかも。と、この程度では気休めでしょうが(^^;;)。

 バランスはD-1になりました。ヘッドに鉛を2g貼っただけでバランスが2ポイントも変わるか、と思いますが、まあ、使用している簡易型バランス測定器(スウィングバランサー)の精度が±0.5ぐらいなので「こんなもんか」も知れません。

 グリップ交換前は、少し重すぎたような気がしたので、総重量はこのぐらいにしておきます。296g(D-0)のT3 Blue がこれで総重量309gでバランスはD-1に変身したわけです。で、その第一印象といえば、「みてくれ」は申し分なし。かっこよく美しい、と言っても過言ではないかも(^、^*)。

まるで違うクラブに変身!!...したかも(と、最初は我田引水)


何故か、こすり玉がでない!?

 翌日、打ちっぱなしに行って、実際にボールを打ってみました。当たりの薄い右へドロップするこすり玉が少なくなった感じです。距離もそこそこに出ます。

 クラブを振ってみると、「あれぇ??」と思うぐらいリストが返るのが実感できます。「返して」いるのではなく「返って」いるのです。これまでスライサーの私には「リストターン」というのを実感したことがなかったのでこれには驚きました。

この段階での成果

 とりあえず、この段階として、

  • 重さ、バランスがしっくりして、手打ち気味のショットが改善された
  • グリップ側に重量配分されその部分の慣性モーメントが大きくなったので、クラブを振るのにエネルギーを要することから手元が動き難くなって左に流れなくなった。従って、手元が先行せず(左脇が開きにくくなって)インパクトがスケアに入るようになった(のかも)

ので、こすり玉やスライスボールが出にくくなった、と推定。まあ、一度だけじゃ判らないんですけどね。これで何度も苦杯をなめてきた私です。

 今回のチューニングが実際に効果があるのかどうかは、コースで何回か使用してみなければなりません。いずれご報告致します。

チューニング1ケ月、その成果の程は如何に(後日談)


今まで通りに打つとやっぱりスライスかこすり玉ですう(T T)

 金をかけずに(早い話、リシャフトなどをしないで)クラブチューニングをして1月。この間、毎週のように伊豆へ秩父へと転戦に転戦を重ねたのでありましたが、「何も考えずに普通にドライバー打つ」と右に出る(スライス・こすり玉)確率は結構高い。やはりヘッドの返りが悪いのです。フォローで手首を返せばフックもでます。「これじゃなんのためにチューニングしたんじゃい」といささか自信を失いつつあったとき、またまた雑誌智恵。「デカヘッドドライバーはノーコックで打て!!」というものであります。

ノーコック打法でスライスを克服か!?

 練習場で、できるだけコックを入れないような打ち方を試してみました。最初はトップが浅くなってしまいましたが、だんだんタイミングがあってくると、確かにこの打法だとスライス・こすり玉の確率が低くなり、まっすぐつかまったボールになるか、ゆるいフェードがでます。コックを入れない、といっても、全くノーコックではなく自然にコックは入りまので「意識的にはコックを入れない」というような感じでしょうか。ある意味、手首の動きを極力抑えた打ち方です。

 実際、この打ち方に変えてから「自信がないので3Wを持ち出した」というティーショットはほとんどなくなり、ドライバーを積極的に使うようになりました。ここ2プレィではドライバーを12回/playほど使ってフェアウェイキープは9-10回/playもありました。これは私にとって驚異的な数字です。ドライバーがそこそこに打てると、パーオンの回数も増えてきます。

T3 Blueの特長のひとつか!?

 T3 Blueを使っていて最近気付いたのですが、同じ芯に当たった場合でも、しっかりつかまったドロー系のボールと、幾分こすり気味のフェードボールでは、全くインパクト音が違うのです。しっかりつかまったときは力強い音、こすり玉はやはりよわよわしい。他のクラブでは、これほど違いを感じませんでした。これはT3 Blueの特長のひとつかも...です。

ここで新たな問題点

 それはそれとして、世の中、よくしたもので「いいことばかりではないのが人生」です。ドライバー「ノーコック打法」の影響がダイレクトにアイアンに出てきました。すなわち、アイアンのヘッドの返りが早く、ミドル〜ショートアイアンでは左へのひっかけが多発するようになりました。距離感も妙に違う感じです。

 もう一度、参考文献1を読んでみました。参考文献1には「重心距離が長いドライバーと重心距離が短いアイアンを組み合わせてしまうと...(中略)...アイアンの調子がいい時は、ドライバーのつかまりが悪くなって右へのミスが出やすくなると言えます」とありました。これは明らかに次のように読み替えられるのではないでしょうか。すなわち「重心距離が長いドライバーと重心距離が短いアイアンを組み合わせてしまうと、ドライバーの調子がいい時は、アイアンはつかまりすぎて左へのひっかけ出やすくなる」と。

 実際、TR900フォージドアイアンに替えて増大したショートホールのバーディが、ドライバーをT3 Blueに代えてからトンとでなくなりました。

 さてさて、この顛末、どないなことになりますやら。しばらく悪戦苦闘してから続報することになるでしょう。乞う、ご期待、でございます。


※このドライバーのグリップチューニングの顛末の一部を、【my Gear】クラブセッティングは成功したのか 本音激白!?(2008.01)に掲載しました。


【News】
※Yahoo!JAPAN「プロギア」で検索したら20番目に表示されました。「PRGR T3」では15番目でした (2008.02.14)
【更新記録】
※(2012.01.02) v1.03 再構成(この日までのアクセス数:009790)
※(2008.02.14) v1.05 ページナビを設置(この日までのアクセス数:001722)
※(2008.02.04) v1.04 一部修正しました(この日までのアクセス数:001615)
※(2007.07.30) v1.03 後日談を修正しました(この日までのアクセス数:000302)
※(2007.07.04) v1.02 後日談を追加しました(この日までのアクセス数:000129)
※(2007.05.28) v1.01 作成しました
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