アイアン・ウェッジから始まったニュークラブセッティングも今春ドライバーをPRGR T3 Blueに変えることによって山場を迎え、とうとうフェアウェイウッドに及ぶことになりました。昨春、清水の舞台から飛び下りるような気持ちで2本おそろいで購入した3Wと5W(プロギアM3 HIT #3/#5)。とうとうこの可愛い彼女達にもチューニングという「魔の手」が伸びたのでした。
(注)掲載しているM3 HIT の写真はすべてシャフト交換後のものです。
クラブに性別があるとすれば「プロギアM3 HIT #3/#5」は間違いなく【she】として語られるべき女性名詞です。どこからみても完全無欠なやさしい女性以外のなにものでもないように思えます。華麗、繊細、優雅、上品といった形容詞がとても似合います。惚れたオンナはアバタもエクボ、ではありますが。
そんな彼女たちをわがフィールドに迎え入れたのは昨春。それまで使っていた名器プロギアZOOM-F(ロフト15°---3W相当)の後継機として、3W/5W ふたつ揃えて購入したのでありました。(右写真:左からドライバーT3 Blue、M3 HIT #3、M3 HIT #5)
当時、使っていたアイアンはプロギア905アイアン(中空式、カーボンシャフト、#5で359g)。ドライバーからアイアンに向かうつながりもよく、「抜けがよくて距離もでて弾道がシャープ」を絵に描いたようなパフォーマンスをもったスリムな美女たちでした。
ロングホール攻略の鍵はセカンドのでき次第。特に、長い距離を打つフェアウェイウッドは、その安定性が重要です。彼女たちの参戦で、私のゴルフが大きく前進することを期待したのでしたが...。
昨年秋、「次のステップに向かうため」と称してアイアンをよりハードスペックなPRGR TR900フォージド(スチールシャフト 、#5で400g)に変えました(myGear0702参照)。それから彼女たちの運命は一変。アイアンに比べてウッドが軽すぎるのであります。総重量が軽いため「手打ちで振りすぎて」しまう。なんとなく浮ついた感じで、ボールの上の方を叩くトップ、あるいはチョロが多発します。そこで「もっと重い方がいいのでは」という方向に思いが流れました。
クラブに対する愛着、懐具合、私自身の保守的な性格等々、いろいろありまして簡単に別のフェアウェイウッドを購入する、というような状況にはありません。そこでいつもの安易な解決策。グリップエンドから14インチ(35.5cm)のところに10g以上の鉛を貼って総重量を重くして使っていました。
主としてティショット専用にしている3Wはそこそこの飛距離で「やくざなドライバーは捨ててしまおうか」というぐらいですが、振り切れていない、もの足りない感じが残ります。なんとなくすっきり感がありません。
ティーアップしないで用いることがほとんどの5Wは、「抜け」はかなり悪くなり「出そうで出ない」便秘状態のスィングが続くことになりました。とにかく何故かインパクトでクラブが止まってしまう感じ。あいかわらずトップやチョロが多発して、ボールは上がらず曲がりも大きくなり、ほとんど使い物にならない状況が続きました。
「うまく打てなくなった」のに加えてグリップエンドから14インチのところに鉛の輪。これじゃ、泣きっつらの上に格好が悪い。そこで、ドライバーのシャフト交換を機会に、フェアウェイウッドのグリップも交換してチューニングをすることにしました。「クラブセッティングの魔の手」は、とうとうフェアウェイウッドの彼女たちにも伸びたのでございます。
とりあえずカタログや書籍等で公表されているPRGR M3 HIT(#3/#5)のスペックは次表のとおりです。
区分 | 項目 | 3W | 5W | 備考 |
---|---|---|---|---|
全体 | 商品名 | PRGR M3 HIT #3 | PRGR M3 HIT #5 | 2006.02発売 |
長さ | 42.5インチ | 41.5インチ | ||
総重量 | 323g | 316g | ||
バランス | D-0.5 | D-0.5 | ||
ヘッド | 素材 | CFRP(炭素繊維強化樹脂)クラウン・ステンレスソール・タングステン | 3種複合構造 | |
ロフト角 | 15° | 18° | ||
体積 | 192cc | 183cc | ||
ライ角 | 59° | 59° | ||
重心距離 | 23mm | |||
ヘッドの慣性モーメント | 2680gcm2 | |||
シャフト | 名称 | M3 HIT専用シャフト | M3 HIT専用シャフト | |
固さ | M-40 | M-40 | ヘッドスピード40m/sec対応 | |
重量 | 56g | 56g | ||
トルク | 5.7 | 5.7 | ||
kp | H | H | ||
グリップ | 名称 | PRGR専用グリップ | PRGR専用グリップ | |
重量 | 47g | 46g | グリップ交換時の実測値(テープ含む) |
話は少し戻ります。「打てなくなる前」、購入した直後は、振り抜きがよくシャープな弾道でまっすぐ飛ぶ、という印象でした。芯をくったときのカチッ、という音がまたすばらしい。実際、コースでもそこそこに使用できました。
ドライバーのデカヘッド化に合わせて、フェアウェイウッドのヘッドも大きくした、というキャチフレーズで売り出されているクラブですが、ヘッドが大きいだけにフェアウェイから3Wを打ったとき、ボールが上がり難いのが難点です。練習場ではうまく上がるのですが...。 そんなわけで3Wは、どちらかというとティーショット専用にしています。
飛距離はランにもよりますが、3W 200-210ヤード、5W 190-200ヤードぐらい。ヘッドスピード40m/s(最大)のおやじアベレージのドライバーの飛距離210-230ヤード程度ですから、まあ、こんなものでしょうか。しかし、ヘタなドライバーショットよりよほど安定した3W----ドライバーを捨てようかという気持ちになったことも一度ならずありました。
ドライバー、アイアンの長さ〜重量のラインから判断して、#3/#5とも15g程度重くしなければならないと思われました。バランスはドライバーT3 BlueがD-1.5の仕上がりなのでD-1.0前後を目標にすることにします。ウッドはアイアンに比べて、若干バランスが重い(ヘッドの重量が感じられる)方がいい、という自分勝手な思い込みです。
標準のグリップを交換して、全体として重量を重くするため使用するグリップは、ドライバーT3 Blueにも用いた、握ったときのフワフワ感が心地よい Golf PrideのDD2、コアサイズ60で重量50g(実測は51g)です。このグリップの握り感は、まさにふっくらした女性の手、そのものです(^、^*)。(右写真:左3W、右5W)
目標とする重量にするため、ヘッドに鉛を貼ります。ときどき右にスッポ抜けることがあるので、ヘッドのヒール側に2g程。バランス調整のためグリップの先端に5g程鉛を貼ると、最終的にバランスはD-1に。これでチューニングは完了です。あとは、実際に打ってみて鉛の量や貼る位置を再調整します。 グリップ先端の鉛の上には、黒いビニルテープを貼って目隠ししました。
クラブ | 項目 | 旧 | 新 | 備考 |
---|---|---|---|---|
PRGR M3 HIT #3 | 重量 | 323g | 341g | +18g(内、鉛7g) |
バランス | D-0.5 | D-1.0 | ||
PRGR M3 HIT #5 | 重量 | 316g | 331g | +15g(内、鉛7g) |
バランス | D-0.5 | D-1.0 |
ちょとハデめのカラーリングのグリップが彼女たちにはよく似合っています。むふふ。こゃあいいかも。「みてくれ」は重要なポイント。美人ならなおいいんです。美人ならそこそこに使えるはず。いいオンナに弱い私でございます。期待は膨らみますが...。
そうは言いながらも「こんなに重くして大丈夫かいな」「こんなことするなら中古でもいいから別のクラブを買えばあ?」という心の奥底で迷いが渦巻きます。
今春、ドライバーをT3 Blueにしましたが、その他の機種は2006.02と同じです。
種類 | メーカーとクラブ型式 | 主たるスペック | 購入年月 | MEMO |
---|---|---|---|---|
1W | PRGR T3 Blue | 10.5°45inch 308g M-40 体積450cc D-1.5 | 2007.05 | グリップチューニング済 |
3W | PRGR M3 HIT | 15°42.5inch 341g M-40 D-1 | 2006.03 | グリップチューニング済 |
5W | PRGR M3 HIT | 18°41.5inch 331g M-40 D-1 | 2006.04 | グリップチューニング済 |
Iron wedge |
(3I-9I/PW) TR900 Forged |
(5I) 26°37.75inch 400g M-40 D-0 (PW) 46°35.25inch 436g M-40 D-0 |
2006.11 | |
(AW) TR wedge(Forged) |
52°35inch 444g M-40 バンス10° D-1 SQP(黒色)仕上げ |
2006.12 | ||
(SW) TR wedge(Forged) |
57°35inch 477g バンス14° D-2 SQP(黒色)仕上げ |
2007.02 | ||
PT | Scotty Cameron | LAGUNA TWO 514g | 2001 |
新しいクラブセッティングの長さ〜重さのグラフは下記のとおり。
ある朝、突然閃きました。まるで神様のご託宣の如く、です。
練習場では
全体として「重くなった」という感じと「難しくなったな」という印象です。ちょっと???という中途半端な気持ちでコースに臨みます。
実際のコース。練習場では、半信半疑であったのでしたが、この日はフェアウェイウッドチューニングの効果てきめん。生涯ン度目の「開眼」です。
ロングホールをドライバーでフェアウェィキープした2打目。残り250ヤードで5Wを引っぱりだし、身体全体を使って「よいしょお〜〜」という掛け声(声は出しませんよ)で意識的にフィニッシュまでからだをまわして振ってみます。そのとき、左の足首や膝が伸びあがらず前傾を維持するようにしてコンパクトに振り切ります、と、若干低いながら強い弾道でボールはまっすぐグリーン方向に飛んでいったのでした。久々のフェアウェイウッドの「ナイッショー」です。
おやおや、これじゃまるで別のクラブだわ、と感心しながら、3オン2パットのパーを取得。ロングホールでパーオンというのは稀なことで、あまり記憶にありません。午後のロングホールでも第2打、5Wのナイスショット。ショートアインの第3打をベタピンにつけてバーディゲット。思わず出てしまうニンマリの笑み。ぬふふ。まあ、こんなもんだよ、と踊りだしたくなる衝動を抑えるのに苦労しました。
ちょっとできすぎかな、という自制心が働きます。その上、この5Wのナイスショット。結構、体力を消耗します。そんなに多用するクラブではないのですが、少々心配です。やはり自分の歳や体力に比べて「重くしすぎている」のかもしれません。
今回のフェアウェイウッドのグリップチューニングの発端は、昨年11月、アイアンをより重いTR900フォージドに変えたことでした。「アンダースペック症候群」に陥って(と断定しています)長いスランプのトンネルから次のステップへ向かうための重要なターニングポイントでした。最初はアイアンを振るたびに「手打ち」にならないように注意しながらフォームチェックをしていたはずです。しかし、それなのにフェアウェイウッドではそのことを全く失念していた私(^^;;)。
クラブを変えたら、やはりフォームもチェックしてみる必要がある、ということが、いまさらながらの今回の教訓です。「フォームを変える必要のない上手なクラブ選び」というのもいいのですが、いずれ、上のステップを狙う以上、フォームも変えていく必要がある、ということですね。他のクラブとのフォーム上のつながりも考慮しなければなりませんし。
もっとも、フォームを変えると言っても、「手打ちにならないように」「体重移動し」「フィニッシュまで全身を使って振り抜く」、という極々当たり前のことを念頭において振っている、というだけの話なのではありますが...。フォーム改造という程のだいそれた話ではないのでありました。