「ドライバーの飛距離が30ヤードも伸びたよ」と言うと聞く方は半信半疑。「ん、なわけないだろ」という疑いの眼差しを向けて来て、即座には信じてもらえません。「スライサーの俺がさ、ドライバーを買い換えてドローボールが打てるようになったわけよ」と続けたら、「また、冗談ばっかり言ってぇ」と揶揄される始末。日頃の人徳のなさを痛感する次第でございます。
さて、ディレット(DIRETT) ?エティモ マイクロタイト?...であります。これらはゴルフクラブパーツのメーカー名やブランド名ですが、これらの名前を知っているのはよほどのゴルフ通かマニアでしょう。しかして、ネットで検索してもいまひとつ正体が判らない。しかし、30ヤードは事実。
今回はこんな私のニューウェポン、「謎の」ディレット(DIRETTO)トライバーの信じられない話。
この10年。それほどゴルフクラブのスペックに興味がない時期が長く、使ったドライバーは5本のみ。使用期間は長いのが3年、短いと数カ月。すべてプロギアであります。「同じメーカーなら継続性があるから安心感がある」という勝手な思い込み、というよりは、元来、「変えることが怖い」という保守的な性格故であります。
下表は、この10年のわがドライバーの変遷であると同時に、この時期のドライバーの開発軌跡ということも言えます。ヘッド体積が300から460ccになり、メーカーのお仕着せでない個人に適したシャフトを挿す、というのも、よくあることになっています。(下の写真はPRGR T3 Blue/2006年モデル)
種類 | 型式 | 主たるスペック | 発売年 |
---|---|---|---|
1W | H/S Type300 | ||
1W | H/S Type315 SPEC1 | 350cc/46inch/287g/D-0 | |
1W | TR-X 405 DUO | 390cc/45inch/285g(308g)/D-2.5 | 2005 |
1W | TR-X DUO 370 | 370cc/45inch/295g(312g)/D-0.5 | 2003 |
1W | T3 BLUE(model305) | 370cc/45inch/296g(304g)/D-0(D-1.0) | 2006 |
「一冊まるごとスライス対策」などと銘打った雑誌があるのは、アベレージの多くがボールを右に曲げるスライサーである事実でしょう。私もその例に漏れずスライサーでして、とにかく右が怖い。スライサーを長く続けているとスライスへの対症療法には精通してきますが、どのようにしてもドローボールは打てず、永遠のスライサー状態。脱皮できません。ナイスショットは(よく言えば)、まっすぐ、またはわずかに左に打ち出して落ちるときにわずかに右に曲がるフェードボール。しかし、事実を語れば、ほとんど当たりの弱いこすり玉で距離がでません。少し距離が長いホールはお手上げ状態です。それに、結構、曲がる。狭いコースではOBや1ペナがでて、スコアを大きく崩す原因でもありました。
こんなゴルフクラブのページを立ち上げて約2年。ということは、使用しているクラブについて興味を持ち、いろいろ学んだりいじくりまわすようになって2年です。飛んで曲がらない魔法の杖を探す旅を始めて2年、ということでもあります。
近くのゴルフ工房さんとの交際もこんな中で実現できました。ギアの蘊蓄(うんちく)は手放す気はないとしても、「ギアをいじりまわすのはプロに任せるのが上達の早道」という当たり前の真実にも気づきました。
ある日、そのゴルフ工房さんの店長さんが私の耳元で囁いたのが、「ぶっ飛びのドライバーがありますよ」というなんとも快いひとこと。聞けば、ヘッドは地クラブメーカーの製品でメジャーではないらしい。店長お勧めのヘッドとシャフトの組み合わせで、その上、「あなたさまに合わせてチューニングしちゃいます」で「特別価格!」なんだという。そういう誘惑に弱いおやじ。だめでもともと、と試打クラブを借り出して近所の練習場へ向かったのでありました。
試打クラブを打ってみました。素振りの段階では
実際ボールを打ってみると(順を追って冷静に記述致します)
などなど、沢山の感想・印象を抱いてお店に帰り、言いたい放題店長さんにぶつけました。真剣に聞いてくれる店長さん。「買うとは限らないんだけど」と私の内心(^^;;)。
先日、会社のコンペで「当然、おれのもんだな」と気持ち的には確定していたドラコンを、後ろの組のゴルフ初心者、一回り以上歳若な社員さんに持ってかれた、というのがトラウマになっておりまして、ディレットの「飛び」には負けました。結局、その場で注文。人が良くできているおやじでございます。
とはいえ、ゴルフ道求道者の私。グリップは前のドライバーと同じGolf PrideのDD2、長さは...重さは...等、いろいろ注文をつけさせて頂きました。納期は10日程。どんなもんが出てくるか、それからずっと、夜も眠れないおやじでございました。
密かにウッドには名前をつけることにしている私。誰の、とはここでは申せませんが、アメリカのタイフーン並みに女性のお名前を戴いております(^、^*)。しかし、どうもこのところ具合が悪い。名前のせいかも、と。そこで、今回は特別、手元に届いたディレットドライバーに「だぶるばあSP(スペシャル)1号」と名付けたのであります。なんと言っても、私専用の可愛いやつ(になるはず)でございますから。
区分 | 項目 | 主たるスペック | 備考 |
---|---|---|---|
全体 | 品名 | だぶるばあSP1号 | 2008.11製造(SLE適合) |
構成 |
ヘッド:ディレット(DIRETTO) シャフト: エティモ・マイクロタイト(MYCROTIGHT) グリップ:ゴルフプライド 企画&組立&調整&販売:近所のリシャフトやさん |
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長さ | 45.75インチ | ||
総重量 | 315.8g | ||
バランス | D-0.5 | ||
振動数 | 249cpm | ||
ヘッド | 品名 | ディレット N445 | |
素材 | チタン | ||
ロフト角 | 10.5° | ||
体積 | 450cc | ||
ライ角 | 60° | ||
フェース角 | +1° | ||
重心距離 | 38.30o | 使用中アイアンの重心距離は35o | |
重心深度 | 34.50o | ||
ディレットの宣伝文句 |
【DIRETTOの4つのこだわり】(リシャフトやさん談)
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シャフト | 品目 | エティモ | マイクロタイト(MYCROTIGHT)650D |
固さ | R | ||
重量 | 65g | ||
チップ径 | 8.5mm | ||
バット径 | 15.1mm | ||
トルク | 5.6 | ||
キックポイント | 中調子 | ||
グリップ | 品名 | Golf Pride DD2 | コアサイズ60 |
重量 | 50g |
寒い冬に突入したおかげでゴルフへのテンションが下がっている悪環境下ではありますが、ディレットを抱えて何度か、実際にコースで使ってみました。
いきつけのコースの17番、左ドッグのロング(この日はレギューラーティで480ヤード)。まっすぐに打ち出されたボールは、コースなりにドローして会心の一打は、なんと左にドッグしたはるか先、フェアウェイのすぐ右側の斜面(ラフ)に突き刺さっておりました。グリーンセンターまであと200ヤード。いくら冬でフェアウェィが硬いからランがでるとは言っても、これは飛びすぎ。いままでなら、せいぜいが左ドッグの曲がり始めの位置。5、60ヤード後方であります。
その驚愕のぶっ飛びに感激した以上に、あの会心のドローボールに感動ししました。「オレにもドローボールが打てるんだ」と。夢のようであります。
購入当初。練習場では、特に大きな問題も感じずそこそこに気分よく振り回していました。実際にホームコースに出て1プレィ目。いままでとは飛距離が全く違います。「あれれぇ、俺でもあんなとこまで飛ぶんだあ」と内心ニンマリ。見ている周りも驚いています。フェアウェイサイドのラフに打ち込んでしまったときでも、いままでと同じところを探しているとみつからず、とんでもない先の方にボールがあります。うふふ。
ところが2プレィ目。何故か、テンプラボールが出ることが多く、よく見るとフェースとヘッド上部の境あたりに当たっています。妙に打点がばらついていてもいますし、その上、ヘッドの底のヒール側に多く傷着いている。こうなると気になって気になって、その日はもうゴルフになりません。
その上、やばいのが「左にまっすぐ」飛んで行きます。芯を喰って力強く。「頼む、こらえてくれぇ」状態が何度もありました。スライサーの私なのに右には全く飛ばず、まるで、自分ではないようでして...。
ホームコース4プレィ目。まず、ティーが少し高めであることに気づき、ひとつ低めのブラッシティーに変えました。これで打点のばらつきが少なくなり、テンプラボールが出なくなりました。
次にフォーム。アドレスを若干アップライトにしました。そして、ここのところオープン気味にアドレスしていたのが原因でどうも腰や肩の線が左を向いてしまっている(結果として、アウトサイドインになっている)のだと思い当たり、腰・肩のラインに気をつけました。
寒いのでインパクト以降、からだが止まってしまい、ヘッドだけが返って左にボールが出ていく、というのも原因のひとつ。しっかり身体を廻すことを心がけています。
この日は、なんとかゴルフになってきました。OBは一回のみ。前述のとおり、17番ロングでは会心の一撃です。そんなこんな、いろいろ考えてやっても使いこなすまでには時間がかかるのでしょう。おそらくまだしばらく打ち込んで調整していく必要かあると思います。
ディレットの試打はゴルフ仲間3人で行いました。現在使っているドライバーと比べると
と3人3様です。私なりに考察すると、やはり、自分のクラブを研究し適切にチューニングしている上級者には効果がない、あるいは小さいのでしょう。しかし、ゴルフ初心者やクラブに無頓着な方々は、飛距離増大の恩恵を受けることができるのではないでしょうか。
個人的なことながら、とにかくこれまで飛ばな過ぎた(^^;;)。昨年など「曲がらなくなったら飛ばなくなった」と泣いておりました。「あなたの実力・あなたの歳だともっと飛ぶはず」と何人もの友人から言われました。フォームが「じじい化」したか、クラブが難しすぎたのか...。
クラブについて語れば、飛ぶ理由はこんな感じだろう。
そして、何よりも、そのハードウェアとと操作者たる自分が三位一体になること。いくら素晴らしいクラブでも自分に合わなければ「豚に真珠」「猫に小判」状態です。
ここで紹介したスペックですと、上級者には不満でも初心者には少しハードかも知れません。もっと軽いシャフトを装着するなど、プロのアドバイスを受けながら、自分にマッチしたチューニングをするのが肝要です。信用なさらぬ向きは、一度、お試しあれ。
ヤフーで「ディレット」または「DIRETTO」で検索しても、何故か、よく判らない。どうも、あまりインターネット上などでは積極的にPRしたりしてばいないらしい。広告コストをかけない営業展開、というより、ゴルフ工房を通じてしか購入できないという「レア感」を演出しているのかも。あまり「謎」すぎても無責任なので、購入したゴルフ工房さんに問い合わせたら日幸物産株式会社(東京都練馬区氷川台)さんの製品そのこと。自社ブランドの他にメーカーへのOEM商品などを手がけているらしい。というか、OEMが主体なのかも。
カラーリングは数十種類から選べるし、グラデーション仕様もあるシャフト。群馬県藤岡市にある株式会社エティモ、というシャフトのメーカーさん。「地シャフト」です。ネットで調べて住所などは判ったものの、それ以上、よく判らない。ここでも詳細は謎(^^)。
メーカーさんがよく判らない「謎」として残ってしまって、「もし、製品に不良等があったらどうするの?」とくだんの店長さんにきいてみた。
「 メーカーとの交渉も含めてショップサイドで対応しますのでご安心下さい。ヘッド割れなどの対応なら大丈夫だと思います。但し、飛ばない、曲がるなどの保障は...勘弁して下さい(^^;;)」だって。いくら私だって、そこまでの保証は要求しませんぜ(^^)。飛んで曲がらない魔法の杖、の現物さえ手元にあれば、それでいいのでございます。
しかし、何か心残り。謎は謎としておいておけばいいのでしょうが、「これで何故、飛ぶの?」ってゴルフ工房の店長さんに聞いてしまいました。頂いたプロによる飛びの謎解きも紹介してしまいます。こちらもご覧下さい。
※お問い合わせはら、ゴルフ工房 バーディーパパ(東京都八王子市)にメールや掲示板でどうぞ。
だぶるぱあ本舗店主の耳元で「これは飛びますよお」と囁いてくれたのは
誰あろう、パパの店長さんでした。