ホームコースのバックティーからプレィするようになって、かなり平均スコアを落としてしまったのが2008年夏。特に400ヤード前後の長いミドルホールでは、かなりの距離が残ってしまってセカンドではとてもグリーンは狙えない。はたまた、170−200ヤードのショートホールで使うクラブがない。これまでのクラブセッティングでは、到底、この距離の壁の前には無力であり、セッティングの変更に着手しました。本稿はその顛末でございます。
ゴルフを始めてから5〜6年ほど。まだゴルフクラブのスペック等にまったく興味のなかった時期のクラブセッティングと言えば、その頃、習っていたティーチングプロの薦めで購入したカーボンシャフトアイアンのフルセットを主体にしたものでした。
アイアンは当時最新の中空型。ドライバーは、ヘッド体積がまだ400CC以下のころ。総重量も280g台。そしてドライバー以外のウッドはZOOM−Fという往年の名器でした。こうしてみると、当時としてはかなりやさしいクラブを使っていたものです。完全におじさん向けのスペック。
子どもの成長と同じで、ゴルフをやっていくうちに、いろいろと智恵もついてまいります。「ゴルフはクラブでうまくなる」などという名言を信奉し始めたのもその頃。ゴルフの「次のステップ」をめざし、カーボンシャフトアイアンをスチールシャフトに変え、ドライバーも少々難しいものにしました。今にして思えば、これがうまくなれない原因なのかも知れませんが(^^;;)。
写真右は、2007年2月のクラブセッティング(その顛末は「プロギア TR900 forged(フォージド)に変えてみた(2007.02)」で報告済)。
わずか2年半〜半年ほど前までのセッティングでありますが、それにしても「使えない、自信のないクラブ」をしっかり貯めていますし、やはり、単調。若けりゃこれでも十分なのでしょうが、160ヤード〜200ヤードの距離には不安なセッティング。PT以外はALL PRGR(プロギア)−−−これもまたすごい。PRGR以外知らない、井の中の蛙の時代。
これまでのクラブセッティングの問題点をあからさまに列挙すると、以下のようになります。使えないのはクラブのせいではなく、ヘタなおやじのせいでございます。念のため。
と、こんな調子で自信を持って使えるのは6I(150ヤード)から、という体たらく。フェアウェィウッドは購入当初はちゃんと打てていたのが、だんだん打てなくなってきた。何故?...急遽、XXIOのユーティリティ(20°)を入れたものの、いまひとつ使いこなし切れないでいるという悲しい現実。少なくとも「距離のある」コースでは闘えないセッティングでございます。
そんなこんなで「はまる道」は誰しも同じなのでしょう。思ったようにスコアの伸びない、むしろスコアを崩している中、とりあえず、まずは「距離の壁」脱出のためのセッティング変更に踏み出しました。必要に迫られ大改革。
大体が反発係数の規制などということをやるもんだから、おやじゴルファーにはつらい状態が待ってます。「規制前より飛ぶドライバー」なんてドライバーがその後発売されていますが、どれほどのことやら。その上、しばらく使っていたPRGR T3Blueは、おやじにはちょっと難しいクラブだったことを実感。とにかく右に出ます。それを怖がっておそるおそる打つまた右に出ます。なんとか左右がぶれなくなったと思ったら、とにかく距離が出なくなりました。それも「歳のせい」とあきらめるしかない現実。
ドライバーのパンチ不足をなんとかしたいと、藁をも掴む思いでディレット(DERETTO)ドライバーを導入。シャフトはエティモ マイクロタイト。著名なクラブメーカー様をさしおいて、地方の「無銘な」地クラブヘッド+地シャフトでございますが、この「無銘」なのがいいのです。「無銘ながら優れものでござる」などと言ってみたいところ。
多少の紆余曲折はあったものの、このじゃじゃ馬をなだめすかし、うまく当たれば20ヤード程も距離を伸ばし、なんとか、若い連中とのラウンドにもついていけるようになった昨今。実際、ディレット導入(2008.11)から半年後。フェアウェィキープ回数は確実に1回増え、OBは1回減っています。劇的によくなったわけではない代わりに、半年後も10回移動平均値では確実に改善の方向に進んでいます。
しかしひとつ問題を解決すると、新たに次の問題が生じるのがこの世界。ドライバーを変えてから、コースでのフェアウェィウッドがことごとくボールの頭を叩くようになってしまいました。アイアン重量に合わせてディレット(DERETTO)+シャフト(エティモ)を作ってもらったのでしたが、この総重量が316gといささか重い。相対的に他のウッド系が軽すぎる、という結果になったのです。
最終的に3W/3I/4Iを抜き、ユーティリティ コブラバフラーを3本入手しました。まあ、格安で手に入れることができたから、ということもありますが、2008年モデルで、シャフトにはALDILA(61g)が差してあります。
それなりに重さを感じますし、実際、それまでのようにボールの頭を叩くことも少なくなりました。ドライバーやフェアウェイウッドからアイアンにつなげるクラブとして、クラブセッティングの中にきれいに納まります。打ち方もアイアンの延長で、ウッドに比べるとテークバックでコックを入れる打ち方をしています。
結論から言えば、このUT導入が奏功して、長めのショートホール、ロングホールや距離の長いミドルホールで大活躍。165ヤード超でもしっかりグリーンを狙えるクラブです。これほど使用頻度が高くなるとは思ってもみませんでした。左へのひっかけに注意すれば多少のミスショットでもそこそこの距離を出してくれます。
ちなみに5Wは残しました。但し、グリップのすぐ下に鉛装着し全体重量を重くしてバランスをとっています。いずれ、リシャフトするか、他の3Wか5Wに変えるかも知れません。3Wも同様な処置をして、コースによって210−220ヤードのティーショットを打つ必要があるコースで使うかも。あまり必要なさそうですけど。
これまで使ってきたスチールシャフトアイアン。「セミキャビティ」とか「セミマッスルバック」とも言えそうなすっきりしたスリムな美人顔 PRGR TR900FORGED。ソール・トップブレードとも幅狭く、少し難しそうではありますが、たいして多くないにしても、スパッと決まったときのあの打感たるや「最高に気持ちいい〜〜」。もっとも芯をはずしたときガツンの手に来るじゃじゃ馬には多少の手を焼いてはいますが、6I以降ならそこそこに使えます。
2004年12月発売の1000セット限定モデル。シャフトにスペックスチール(M−40)が挿してあるという、ある意味、レアもの。標準品はM−43/M−46のみのところに、おやじのような輩がお出でだったのでしょう。「自分でもなんとかフォージドアイアンを使ってみたい」ってM−40をメーカーに特注した方が。
不調の時期。なにもかもが「悪い」理由に思えてきます。アイアンのミスが出るたびに「体力的にスチールシャフトは俺にはもう無理かなも。歳だし、やさしいカーボンシャフトアイアンに変えた方がいいのかも」という迷いを抱いていたことも事実であります。ウッド系のセッティングを進めれば進める程、やはり気になるのはアイアン。好みの美人でも、持て余すようになれば、そこはそれ...。やはりこのへんが潮時かも知れません。
TR900 FORGEDの発売から4年半。それだけあればアイアンも格段に進化しているのでございましょう、プロギアさん。と、お店に新しいアイアンを観に行けば、やはり「若いコ」にメ移りするのがおやじの性。プロギアの新しいアイアンに「来てぇ」などとハスキーボイスを頭の中に送り込まれれば、理性も何もかなぐり捨てて、尻尾をふりふり「お買い上げぇ」となります。
で、後先の考えも分別もかなぐり捨てて注文してしまったのが、2009年4月末に発売されたばかりのプロギア「GN502 銀 FORGED」。ぴっかぴかのおニュー、最新モデルでございます。
「見てくれ」は若干ふくよかながらもすこぶるつきの美人顔。やさしく打てて上がります。ちょっと怖いぐらい。幾分、打感が「鈍い」というか「もやっとしている」のですが、ミスに強くてやさしいアイアンということで...。
このフォージドアイアンの報告は次回の楽しみにしておくということで、とりあえず、これでウッドからアイアンまで新たなクラブセッティング完了と相成りました。まずは上々。(アイアンの詳細は【myGear2009.06-2】「プロギア GN502 銀 フォージド アイアン」に掲載)
ウェッジはGN502のPWの他に、PRGRのTRウェッジ02を3本(48/52/57°)を入れています。48°はロフト調整していますので実際には49°。賢明なみなさまならもうお気づきのことと思いますが、ドライバーから順に数を数えていくと、パターを含めて15本になってしまいます。従ってどこかで1本抜く必要がありますので、次のセッティングの検討はこのウェッジの整備に他なりません。
ウェジッ4本体制。これは、PW(45°)とAW(52°)の飛距離差が20ヤードもあるので、そのちょうど真ん中100ヤードを打てるAW(48°)をもう一本入れたのもです。もっとも、ラウンド中、49°と52°を両方交互に使うということはなく、どちらかに偏ります。このへんをどうするか。おそらくどちらかに決める、ということになると思います。
「バンカーイップス」という言葉を口にしてから何年になるでしょう。まだまだバンカーショとを苦手にしています。ガードバンカーに入れると、スコアは確実に2つ悪くなり、それでスコアを崩すのがこのところの典型的パターン。ストレートネックのPRGR TRウェッジ(57°)は、グリーン周りのショートアプローチにはそこそこ使えるものの、バンカーではまだ実績を残せていてはいません。
で、必ず「バンカーから出るウェッジ」を...。このへんは「謎」として次回以降のお楽しみ。
写真右が、2009.06現在のクラブセッティング。とうです?この2年間で、クラフセッティングがかなり多彩になったとは思いませんか。全15本。 1本多いのでこれから一本抜くことになります。
クラブ | 長さ (inch) |
重量 (g) |
ロフト (°) |
ライ角 (°) |
バランス | 重心距離 (mm) |
重心深度 (mm) |
振動数 (cpm) |
MEMO | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1W | DIRETTO | 45.75 | 316 | 10.5 | 60.0 | D-0.5 | 38.3 | 34.5 | 249 | 体積450cc、シャフトR・65g、トルク5.6、中調子 |
FW(5W) | M3HIT #5 | 41.40 | 338 | 18.0 | 59.0 | D-0 | - | - | - | 体積183cc、シャフトR・56g、トルク5.7 |
UT(3/R) | Baffler DWS | 40.00 | 349 | 20.0 | 59.0 | D-1.0 | - | - | - | シャフトR・61g、トルク4.5、中調子 |
UT(4/R) | Baffler DWS | 39.50 | 354 | 23.0 | 59.5 | D-1.0 | - | - | - | 〃 |
UT(5/R) | Baffler DWS | 39.00 | 359 | 26.0 | 60.0 | D-1.0 | - | - | - | 〃 |
5I | GN502 | 37.75 | 395 | 26.0 | 60.5 | D-0↓ | 37.5 | 12.1 | 298 | シャフトM-40、グースネック |
6I | GN502 | 37.25 | 402 | 29.0 | 61.0 | D-0 | 37.5 | - | 303 | |
7I | GN502 | 36.75 | 411 | 32.0 | 61.5 | D-0.5 | 37.5 | - | 311 | |
8I | GN502 | 36.25 | 416 | 36.0 | 62.0 | D-0 | 37.5 | - | 318 | |
9I | GN502 | 35.75 | 426 | 40.0 | 62.5 | D-0.5 | 37.5 | - | 328 | |
PW | GN502 | 35.25 | 433 | 45.0 | 63.0 | D-0 | 37.5 | - | 337 | |
AW1 | TR Wedje | 35.25 | 440 | 49.0 | 63.0 | D-1.0 | - | - | - | ストレートネック・バンス6° |
AW2 | TR Wedje | 35.00 | 444 | 52.0 | 63.0 | D-1.0 | - | - | - | ストレートネック・バンス10° |
SW | TR Wedje | 35.00 | 477 | 56.5 | 63.0 | D-2.0 | - | - | - | ストレートネック・バンス14° |
PT | Laguna2 | 35.00 | 512 | - | - | D-5.0 | - | - | - | |
MEMO | カタログ値 | 実測値 | 実測値 | 実測値 | 実測値 | カタログ値 | カタログ値 | 実測値 |
左のグラフは、上記セッティングのクラブ長さと総重量を図にしたものです。全体として、なんとかうまい流れになりました。5Wはシャフトに鉛を貼りつけて無理やり重量を合わせている、というのが難点と言えば難点ですが。
ゴルフクラブの本などを読んでおりますと、「ドライバーとアイアンのスペック上のつながりについて」
であるとき「気分よく振れる」「同じタイミングで打てる」等とあります。ドライバーヘッドの大型・計量化で両方ともこの範囲に収めることが難しくなっているのが現状ですが、今回のセッティングでは、重心距離の差0.8mm・総重量の差79gと、この範囲に近くなりました。机上のことで、実際のラウンドではどうなるかよく判りませんが、楽しみではあります。
比較項目 | 重心距離 | 総重量 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
5I | 1W | 差 | 5I | 1W | 差 | |
前回まで 2008.10 | 35.0mm | 40.0mm | 5.0mm | 400g | 304g(*) | 96g |
今回のセッティング 2009.06 | 37.5mm | 38.3mm | 0.8mm | 395g | 316g | 79g |
ディレットドライバーの導入からアイアンの変更まで約8ケ月を要しました。最初からこのような形になると明確に考えていたわけではなく、あっちに振れこっちに揺り戻し。試行錯誤と迷いの繰り返し。しかし、クラブを変えるたびにプレィの組み立てやスコアが変わったのが実感できました。この間の事情は「【myScore】キブアップ寸前で藁をもつかむ試行錯誤...(2009.05)」で報告しました。ぜひご覧下さい。
2008.11のディレットドライバー。飛距離は少なめに見積もっても平均で10ヤード以上伸びました。ホームコースでドライバーショットの落ちる位置が前と全然違うのが実感できます。
スコア的にももう少し劇的な効果を期待したのではありますが、導入以降、1Wのフェアウエィキープ回数が1回増え、OB(1ペナ)が1回減る、という効果はあったのものの、当初はスコアが大きく改善することはありませんでした。
3W/3I/4Iを捨ててコブラUT3本のセッティングが完了したのが2009.03末のこと。1−3月のスコアの単純平均101.7が、4月に入って91.5(4回)。なんとスコア10以上の激減であります。距離のあるショートホールのティーショット・距離のあるミドルのセカンドショット・距離を残したロングホールのサードショット。そこここでこのUTの出番の多さには驚くものがあります。こんなに効果がでるものなのか。これがゴルフなんだよなあ...とひとりほくそ笑む私。
5月に入っては、雨に祟られたり初めてのコースだったりしてスコア的には苦戦する条件が重なりましたが、平均スコアは100を越すことはなく90台を確実にキープしています。これぞクラブセッティングの効果の最たるもの。(これに気付くまで大分回り道をしたんだよなあ(^^;;))
PRGR GN502銀FORGEDはまだ練習場での調整段階。これからコースで使うことによって効果の程が出てくるでしょう。アイアンを変えるとそれに慣れるのに数カ月を要する、というような声もあって、多少の不安はありますが、まずは、新しいセッティングでフィールドに出て行きたいと思います。その結末は後日、改めて報告させて頂きます。