おやじの予感、というのはそこそこに的を得ることがあるもので、「武士道16」と「武士道17」があるなら、「武士道18(エイティーン)」いうのがあるかも知れない、等と思っていたら、やっぱりあった。クソ暑いお盆の最中の猛暑な日。駅前の本屋さんの新刊コーナーにそれはあった。2009年7月30日刊。発売したてのほやほや。
磯山香織や西荻早苗には散々お世話になっているんだもの、今回は自腹しなきゃ、と思い、なけなしのお小遣いで即購入。登場人物のみんなや作家さまや本屋の皆様にありがたいという気持ちをお返しするには、身銭を切らなくちゃあね。るんるん気分で持ち帰る。
18歳の磯山と西荻がまたまた、しっちゃかめっちゃかやるんだろうなあ、と期待は高い。磯山のオンナ武士道がどこに落ち着くのか。まさかそのへんのイケメン馬鹿♂にころっと騙されて、ただのオンナに成り下がるのか。それともこのまま「いかず後家」にまっしぐらか。もやもやもや...いい歳したおやじの倒錯せる密かな楽しみ。堪えらまれせん。
とはいえ、現在、先月からの通信教育に追われて、図書館から借りた新刊書を読むのもままならず。土日もゴルフが忙しくてとても本など読んでいられぬ。さて、どうしたものか...と、さすが広く深い経験の持ち主。ぱっと思いついたのがこれだ。
「読まずに飾っておく」
これはいい。サイコー。だって、うまいものは一番最後にとっておけ、ってことだもの。長く楽しめそう。
しかし、梅干しを思い出してメシを喰う図となるか。はたまた、据え膳喰えないヘビの生殺し状態の図であるか。懊悩と煩悩とに苛まれのたうち回るおやじの図かも。さて、これからわが身にどんな凄惨な物語が展開するのであろうか。自虐的に楽しみ。夏の夜はながい。
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ちなみにこの物語が映画化されるらしい。来年春の封切りなんだとか。まあ、さすがに映画館へ足を運ぶ気にはならないおやじではある。密かに楽しむのがいいのであーる。
誉田哲也「武士道エイティーン」(文藝春秋2009)
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